H26年度(地球環境基金助成金活動実績報告書より)
全体的な活動概要・実績
茨城県内において地域主導型再生可能エネルギーの開発推進を担う人材を育成するために,
①再生可能エネルギーに関わる政策,事業の構想・企画立案に必要な基礎知識や事業化手法等を習得するための研修プログラムを検討・作成するとともに,②プログラム教授できる専門家からなる講師陣を組織し,人材養成カリキュラムを開発・編成し,③受講生を募集して,主に茨城県内において講義・現地研修で構成されるカリキュラムを試行することで,地域主導の再生可能エネルギー普及に貢献する事業・活動を企画・立案できる人材養成を試みた。
本活動のスタートに当たっては,実施体制を関係者で協議し,いばらき自然エネルギーネットワーク(以下、REN-i),茨城県,茨城大学社会連携センターの3者共催の事業とすることで合意した。その後。6月に全体実施計画を作成し,計画に従い試行研修プログラムの検討・作成を7月〜8月中に,17名からなる講師陣の選定・体制整備を7月末までに,ほぼ予定通り終了させた。受講生の募集は8月中〜9月上旬に実施した。その結果,応募数は18名の応募があり,10名(9団体)を受講生として9月中旬に選定した。
養成プログラムは,9月1日〜12月11日の期間に計7回の講義・研修(各回3時間)の開催とともに,11月25〜26日の1泊2日の現地研修実施により全課程を計画通り終了し,3者連名で受講者全員に修了証交付を行うことができた。
また,依頼した講師の中から2名に講義資料のとりまとめを依頼し,「茨城の農山漁村における再生可能エネルギー導入可能性」と「バイオマスペレットの現状と可能性」を講義教材として作成した。
助成活動において作成された成果物、その利用・配布状況など
養成プログラムの内容は,シラバスとして整備し,講師,受講生,その他関係者へ配布した。またプログラムで使用した以下の各回の講義・研修用資料を,教材/講演配布物として各回受講生に,また公開セミナー等の際は,参加者全員に配布した。
- いばらきの再生可能エネルギーの特徴と可能性
- 茨城県の再生可能エネルギー関連の施策
- 国の再生可能エネルギー関連の政策
- 太陽光発電の設備と実際(太陽光発電設備の概要と導入/系統連系の技術と手続き)
- 計測の技術と実習(独立系太陽光発電システム/日射量計測技術と管理のためのモニタリング技術)
- バイオマス熱利用の技術と事例
- バイオマス・ボイラ導入の検討手順と留意点
- 耕作放棄地と再生可能エネルギー(耕作放棄地の現状と対策/バイオマス・エネルギーの利用)
- 再生可能エネルギー事業のファイナンス(事業評価と資金計画)
- 再生可能エネルギー事業の具体的事例(徳島における地域主導の再生可能エネルギー開発/那須野ヶ原におけるエネルギー生産の挑戦)
H27年度
実施体制の構築、講師陣の編成・依頼や募集作業等を含む準備・事前調整等作業(6~8月)を行って、H27年度計画のそれぞれの活動に対して、次のように(a)入門・自然エネルギー講座の試行的活動、(b)コーディネータ養成プログラムの本格実施、(c) コーディネータ・フォローアップとなる活動の検討と具体化を行った。
(a)入門・自然エネルギー講座
一般県民を対象に再エネの初歩を学ぶための「自然エネルギー入門講座」の内容、講師陣を7~9月に検討し、実施体制整備、講師依頼、会場手配、資料準備を行い、11月中旬~末に受講生を募集して、茨城大学、NPO法人うしく里山の会と共催で、牛久市観察の森において12/5にバイオマス・エネルギーをテーマとした試行的な入門講座(受講者17人)を実施した。
(b)コーディネータ養成プログラム
5月~6月上旬に実施計画を作成し、6~7月末に実施体制整備や講師陣編成等の準備・事前作業を終了させて、受講生募集(8/3~8/28、応募者数18人)、 9月上旬に受講生選定(12人)を行って、全8回(宿泊研修、見学研修を含む)のプログラムを9/25~12/8に実施した。
(c)コーディネータ・フォローアップ
再エネに関わる啓発/事業発掘等をテーマとするワークショップなど企画・実施をフォローアップ活動として検討し、26年度のプログラム修了者に対し、自然エネルギーをテーマとした講座(結城市環境講座)の企画・実施(11/30開催)の支援および(a)入門講座の講師依頼を行った。さらに、10~12月中旬に再エネ開発事業発掘に関わる地域住民の意向調査を27年度の試行プログラム修了者と連携して企画・実施した。