省エネルギーの重要性
自然エネルギーの活用にあたって、重要なのは、実は省エネルギーの発想です。
省エネルギーには、
①電化製品や機器類など省エネ製品への買い替えなどよる省エネ化、
②使うところだけ電気を点灯するなどエネルギーの使い方をていねいに変えていくことによる省エネ化、
そして、③遠くから運ばれてくるものをあまり利用しないといった製造や輸送のプロセスで使用される
間接的なエネルギー使用の削減による省エネ化という大きく分けて3つの考え方で手法を考えることができます。
また、②のエネルギーの使い方を変える上では④目に見えない電力使用状況を見える化する省エネナビなどを使うことがとても有効です。
自然エネルギーには、地熱、太陽光、風、バイオマス、潮汐力など色々な種類があります。
この中でも、どこにでも存在する風や太陽エネルギーは、洗濯物を乾かしたり、
布団を干したり、食べ物を通して私達の体を動かしたり誰にとっても非常に身近な存在となっています。
このように身近で有用な自然エネルギーですが、一方で、自然エネルギーは、どこにでもある割に集まっているところが限定されていたり安定的でなかったりするなどの特徴もあり、
既存のエネルギーすべてを代替する安定した代替電力源として開発していくにはまだまだ長い道のりが必要なようです。
しかし、ていねいに暮らしや仕事、日々の活動を見つめなおすと、
熱や乾燥、食料の生産、緑のカーテンによる遮熱などのように日々の暮らしの中に、
様々な形で自然エネルギーを活用していくことができるはずです。
これらの発想は、省エネを暮らしに組み込む手法の延長線上にありますから、
省エネの視点を組み込むと暮らしを見つめ省エネルギーの手法によって、
エネルギーの消費を減らし、これ以上減らすことができないエネルギーを、
電気だけでなく熱やそれ以外の用途に部分的に自然エネルギー導入し、
これまでのエネルギーを徐々に入れ替えて転換していくという発想が生まれてきます。
私は自然エネルギーが大好きなので我が家でも色々とチャレンジを行ってきましたが、
これまで省エネルギーと自然エネルギーによるエネルギーの代替で
4年間で家庭のエネルギー消費を約35%減らすことができました。
実際に生活を変える取り組みをしてみて、
使用するエネルギーを減らし、活用するエネルギーに意識を向けて、暮らしを丁寧に見つめ直してみると、
改めて、自然エネルギーを暮らしの中に取り入れる知恵が生まれてくることがよくわかりました。
100%を自然エネルギーで賄おうとすると非常に困難でも、
65%のエネルギーを自然エネルギーで賄うことは
100%のエネルギーを完全に自然エネルギーで賄うことに比べればだいぶ道のりが近くなってきます。
省エネテレビなど省エネルギー機器を使うと従来のテレビを見るために必要な枚数よりも
非常に少ない枚数の太陽光発電パネルで、これまでどおりテレビをみることもできてきます。
これによって投資を少なくすることも可能になります。
不安定で、薄く広く、地域性のある自然エネルギーを上手に使うには、
省エネルギーと共通の丁寧なものの見方が有効になってきます。
省エネルギーと自然エネルギーは、実はお互いの長所を引き出しあうことのできる
互いになくてはならない相性抜群のパートナーなのです。
文責:いばらき自然エネルギーネットワーク事務局長 島田敏