NPO法人 エレコン 理事長
山口 博之
キーワード
- 議論よりまず実践・議論は実践のあとで・Yesから入る
- 活動のスタイルは対面対話方式で・自らが楽しんでできる活動を
課題 | 温暖化防止に関する市民の実践活動を広げる |
タイトル | NPO法人 エコレンの活動を通して
「私たちの暮らしと地球温暖化 ~IPCC AR5から~」 |
日時 | 11月21日(月)13:10~14:10 |
会場 | 茨城大学水戸キャンパス 図書館3階 セミナールーム |
概要 | レッツ エンジョイ エコライフ の推進
・その活動を広く一般に広げるには?賛同者を得るには?理解者を得るには? そして実践者に! (各個人個人の認識・意識の高揚と啓発を高め、実践活動に繋げる) |
参考書&
参考WEBサイト |
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備考 |
環境問題の原因や影響は、身の回りだけではなく地球規模に広がり、複雑化・深刻化しています。
環境への取り組みは、社会のシステムやライフスタイルの見直しを必要とするものですが、それは、行政はもとより一般市民・企業・学校など全ての人々が取り組んでゆかねばならない問題です。
私共「茨城県地球温暖化防止活動推進員」の役割は、温暖化の現状及び地球温暖化対策に関する知識の普及並びにその対策の推進を図るための活動を進めてゆくことを目的としています。
知識の普及という意味でより確かな情報をとの見解から、又、最新の知見として「IPCC第5次評価報告書:AR-5」の内容を皆様にお伝えすることにしています。
「IPCC」とは?「第5次評価報告書」とは?「気候変動に関する政府間パネル」とは?
( Intergovernmental Panel on Climate Change )の頭文字をとったものです。
人為起源による気候変動、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行い、報告書としてとりまとめています、「第5次評価報告書」(2013年~2014年)は、世界中で発表された9,200以上の科学論文を参照し、800名を超える執筆者により、4年の歳月をかけて作成されまたものです。
IPCCの報告によれば、温暖化の原因は「人である」とほぼ断言されています。又、政治的判断をしないとあります。
「第4次評価報告書」では、人為起源の温室効果ガス濃度の増加によってもたらされた可能性が非常に高い」から「第5次評価報告書」によれば、地球温暖化は「人間の活動の影響が主な要因である可能性が極めて高い」と強い表現になっています。
要するに「地球温暖化」の原因は「人の活動が原因である」ということになります、「人の活動」とは化石燃料を燃やす、森林を伐採すること等で「温室効果ガス」が増えてしまっていることです。
今回はその「地球温暖化」について取り上げてみたいと思います。
「温暖化は人の活動が原因である」となると、原因である人の活動の変化を求める事になります。
この問題は、「困った何か方法は?」と「議論しているだけではなく、先ず温暖化防止に伴う活動を実践する、できることを今すぐに」、より多くの人々にその真実を訴え、温暖化防止に向けた「生活の改善」の実践をしていただく事が最善の方法と考えます。
人々の生活を変える、変えなくてはいけない、すなわち「エコライフの推進・実践」が求められているわけです。
温暖化防止活動を広く一般に広げるには、そして一人でも多くの賛同者を得るには、さらに理解者を増やすには、そして実践者になっていただくには、先ずは現況を良く知っていただく、なぜエコライフの実践が必要なのかを理解していただく事が第一です。
伝える方法は可能な限り「対面対話」を基本としています。
言いっぱなし、聞きっぱなしの一方通行ではなく、可能な限り「対面対話」方式が望ましいと考えています。
そして実践をしていただくうえで、「できるかな?難しい?周りが協力してくれるかな?続けられるかな?」等々いろんな???が生じてくる事もあります。
難しいと思っても先ず「やる!できる!」から入る、すなわち『Yesから入る』、Noから入ればそれが結論となってしまい、できないになってしまう。
できる方法を考えない、あきらめてしまう、それが結論になってしまいます。
Yes(できる)から入れば
できる方法を考える、無理かなと思っても、どうしたらできるか、何か方法はないか、Yesに向かって考えるものです。
結果として、できる方法にたどり着かなかった場合でも、真剣に考えた実績は大きい、必ず「次」につながるものです。
「できることから始めてください、決して無理のないように、負担にならないように」そして楽しいエコライフの実践を!《レッツ・enjoyエコライフ》を活動名(決まり文句に)に、実践活動の推進をしています。
今日は、中学校や事業所などで実施している出前講座と同じ「気候変動・異常気象」についてお話をさせていただきます。
「出前講座」の内容は、「IPCC第5次評価報告書・AR-5」から抜粋をしたものです。
講座名は、『私たちの暮らしと地球温暖化』という内容でお話をさせていただきます。
第5次評価報告書(AR-5)では
評価の対象:人為起源による気候変動、影響、適応、緩和策
評価の見地:科学的、技術的・社会経済的見地から包括的に評価
第5次評価報告書(2014年)では、温暖化には疑う余地がない、20世紀半ば以降の温暖化の主な原因は、《人間の影響の可能性が極めて高い》とあります。
本日のセミナーの流れは3部に分けて進めてゆきます
- 第1部 地球温暖化が進むと?
- 第2部 地球温暖化はなぜ起こっているの?
- 第3部 解決のための選択肢には何があるの?
1)地球温暖化が進むと?
過去132年の間に世界の年平均気温は何℃上昇しているか?(産業革命以後)
イ0.85℃ ロ1.14℃ ハ3.2℃
① すでに起きている影響について
- 日本では35℃以上の猛暑日が激増している
- 楓の紅葉日が10年あたり3日遅くなっている
- 海洋ではサンゴの白化や藻場の消失・北上が確認されている
- 農産物でも高温障害が発生している
② 温暖化が進むと、(将来予測についてこのままで対策を取らなかった場合)
- 大雨による川の氾濫やがけ崩れなどが各地で発生する
- 雨が降らず農作物が収穫できないなどの甚大な被害が発生する
- 大規模な台風などの発生も予測される
- 陸の動植物、海の動植物などへの影響
- 食糧生産に大きな変化が
- 2100年の天気予報はどうなる
熊本44.9℃、 東京44.0℃ 水戸市 33.6℃
2)なぜ地球温暖化が起こっているか
※「人間活動の影響」
① 地球温暖化の原因はあなたの身の回りのどこに潜んでいるか?
- 温室効果ガスの排出源はどこにある?
- 日本のCO2の排出量は?その内訳は?
- 人為起源のCO2の排出量は?(産業革命後に急増している)
- CO2の総排出量と平均気温の上昇量の関係
② 地球温暖化が及ぼすリスクは
- 異常気象、作物収量への影響、海面上昇、生態系への悪影響など
3) 解決のための選択肢には何があるか?
※ 緩和策と適応策がある、このまま何もしなければ21世紀末には地球の平均気温は最大4.8℃の気温上昇が考えられる
世界の温室効果ガスの排出量の見通し、2010年度490億トン
現状以上の対策を取らなかった場合は2050年度には現在の1.5
倍となる。厳しい温暖化対策をとった場合は40㌫~70㌫削減できる
① 温室効果ガスを減らす緩和策は?
- エネルギー対策のカギは低炭素エネルギー
- 新しい技術や高効率な機器の導入
- 低エネルギーへの燃料転換、原材料の使用削減、利用効率の向上
- 廃棄物の削減など
② 適応策
- 極端な気温の変化(暑い日が増える)に対する熱中症対策
暑さを避ける行動、住まい、衣服の工夫、こまめな水分補給、暑さに備えた身体作り等々 - 農作物への対策、暑さに強い品種への転換等
- 急激な気象変動に対する対応、極端な降水、破壊的な台風等に対する 対策や防災計画など
4) まとめ
- 現状以上の温暖化対策がなければ、現在と比べて21世紀末には平均気温が最大4.8℃上昇
- ここ数年と同じ量のCO2の排出が続くと、産業革命前から2℃上昇をもたす、総排出量にあと約30年で達する見込み。
- 地球温暖化対策には、緩和策と適応策がある。
- (緩和策)気温上昇を低く抑えるには、大幅に早期に低炭素エネルギーに切り替えることと私たちの行動を変えること、社会の低炭素化につながる選択をすることが重要。
5) 感想のシェアタイム
※ 何を感じたか
※ 温室効果ガスを減らす緩和策と、温暖化に備える適応策について
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